特別支援教育とフラッシュ型教材

 九州の聾学校・聴覚特別支援学校では、文科省のネットワーク事業の一環として、児童生徒の学力向上を目指し基礎・基本の定着を図るために、1つの柱であるフラッシュ型教材の共有化に向けて動き始めました。

障害種にそった教材づくり

 一般の学校では、いろいろな教科における活用のスタイルとして、問題を提示し、先生や級友の音声で正解を確認します。そうしてリズミカルに活動が進んでいきます。ここで、聴覚特別支援教育の視点からの配慮を加えたものとしては、答をつけた画面を1枚ずつ加えることにより、視覚による答の確認ができます。あるいは、言葉(日本語)の学習という自立活動で使用する教材など、その障害種ならではの教材もとても大切です。

 たとえば、健聴者にとっては、「1本」「6本」は「□っぽん」と読み、「3本」は「□ぼん」と読みます。これは、日本語の母語話者は、耳で聞き慣れているので考えることなく口から出てきます。しかし、外国語を母語とする人たちは、それを覚えなくてはなりません。「friend」が「フリエンド」に見えるのを「フレンド」と覚えることと似ていると思います。「本」がどんな時に「ほん」「ぽん」「ぼん」になるのかは、音声学的には理由がありますが、そんなことを誰も考えて発音はしていません。だから、何度も声に出したり、指(指文字)でその読み方を確認しながら、身につけていきます。このフラッシュ型教材の短時間ドリルを繰り返し活用し、徹底して基礎・基本の習得を目指したいと思います。

 実際の授業では、少しでも音声のある生徒は、音声でどんどん発言し、音声のない生徒は短時間に口形と指文字を使って、バンバン答えてくれます。生徒の答の正誤確認は、音声のある生徒は教師の耳で、音声のない生徒は教師の目で確認をします。そして、次のページで、全員が視覚で正解を確認して次の問題に移ります。児童生徒たちは大変生き生きとして、目を輝かせてこの短時間のドリルに挑戦しています。

全国の特別支援に携わる先生方にフラッシュ型教材を広げたい

 全国にいらっしゃる特別支援教育に携わっておられる先生方の中には、たくさん教材を作り、活用していらっしゃる方も多いと思います。しかし、視覚障害や聴覚障害のように各県に1校または少数校しかない障害種の学校では、転勤したらそれらの教材はもう使わないということもあるかもしれません。また、なかなか同じ障害種で同じ教科の相談や勉強会を実施するのも難しいものがあります。そこでこのフラッシュ型教材を活用し、県の枠を超えてその障害種に適した教材を共有化することで、より効果的な授業作りができるのではないかと期待しています。

 このような教材は、特別支援学校だけでなく一般の学校の特別支援学級の児童生徒や普通の学級にいる配慮を要する児童生徒たちにも大変有効な教材として広く活用できると思います。


手話で意味を確認している様子

 

九州内の全聾学校、特別支援学校がネットワークを組み、特別支援教育向けの教材開発に取り組んでいらっしゃいます。eTeachersでは、この取り組みを支援し、サイトより特別支援教育向けのフラッシュ型教材をダウンロードいただけます。

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