フラッシュ型教材活用セミナー in 川崎

活用事例のご紹介

会場の「ミューザ川崎
会場の「ミューザ川崎」

 『第39回 フラッシュ型教材活用セミナー』は、2013 年6月29日(土)、神奈川県川崎市で行われました。首都圏での開催は、2011年5月、群馬県藤岡市で行われて以来、実に2年ぶり。会場は、JR川崎駅より徒歩3分と利便性抜群の「ミューザ川崎」。小・中学校の先生を中心に、教育センターや教育委員会等の教育関係者、総勢81名が参加され、大盛況のうちに終了しました。

-「第 39回フラッシュ型教材活用セミナー in 川崎」ご登壇者-

堀田 龍也 先生(玉川大学 教職大学院)
高橋 純 先生(富山大学 人間発達科学部)
曾我 泉 先生(東京都練馬区立中村西小学校)
金 隆子 先生(山形県米沢市立第二中学校) 
大城 智紀 先生(沖縄県恩納村立山田小学校)
表 克昌 先生(富山県氷見市立宮田小学校)
片山 淳一 先生(岡山県総合教育センター)

本セミナーの『趣旨説明』

 はじめに、堀田先生は「フラッシュ型教材とは、どういうものかを知ってもらいましょう」と、帯分数を仮分数に直して答える算数の教材と、地図記号を見て何の地図記号かを答える社会科の教材を実践。「フラッシュ型教材は、このようにある程度習得し、習熟しているものをさらに確実に定着させるための教材です。教材は単純でも意外と奥が深いですよ」とのお話に、児童生徒役として体験したばかりの参加者からは、「なるほど…」といった納得の表情が数多く見られました。

 さらに、「そもそもフラッシュ型教材は、効果があると言われているフラッシュ・カードのデジタル版で、パワーポイントのスライドにしただけのものです。私ならパワーポイントを使ってもっと難しい問題が作れるよ、という人がいますが、できれば教材作りは簡単で、授業を充実させたいわけですから、授業の仕方、教師のノウハウで子どもたちに理解させることに本当の価値があると思っています」とセミナー実施の理由を話されました。

『模擬授業 5 連発』

 日ごろから教室でフラッシュ型教材を活用している小中学校の先生方による、5つの模擬授業が披露されました。

 教材は、いずれも自作されたもの。参加者の先生方は、いつもと逆の立場の児童生徒役となり、まさに、子どもたちの気持ちを実感できる貴重なコーナーでもあります。

曾我泉先生による「理科と「算数」の模擬授業
曾我泉先生による「理科」と「算数」の模擬授業

 曾我先生は「理科」と「算数」の模擬授業を披露。
「理科」の模擬授業のテーマは、第6学年「体のつくり」。内臓の名前とはたらきを理解させることがねらい。まずは「内臓の名前」について、順次提示される絵を見て、体のどこにあるか、両手で押さえながら名前を答えます。次に、「内臓のはたらき」について、部位を両手で押さえながらそのはたらきを答えます。さらに「内臓の名前とはたらき」をセットで答えます。最後は、全員立ち上がって、提示された絵に応じて、その部分を手で押さえながら名前とはたらきを答えます。繰り返しの妙でしょうか、動作と声も見事に一致して、とても素晴らしい模擬授業になりました。

 「算数」の模擬授業は、第4学年「分数の大きさ比べ」。「2/5・4/5」といった同分母分数から、「2/3・2/6」の同分子分数、さらに帯分数や仮分数も織り交ぜながら、左右の分数の大きい方を答えていきます。はじめは全員で声を出して答え、次に、大きい方の分数が右なら、答となる分数を言いながら右手を挙げます。今度は、列ごとに手を挙げながら答えます。最後はランダムの提示に全員でチャレンジ。数多く繰り返すことで、挙手のタイミングも、答える声も揃ってきました。

曾我泉先生による「理科と「算数」の模擬授業
金隆子先生による「国語の模擬授業

 金先生の「国語」の模擬授業は「3文字の熟語」。対象は中学1年。はじめに、先生の後について熟語を読みます。「関心・公式…」「無関心・非公式…」、続いて参加者だけで読んでいきます。ここで、下の語を否定する「否定の接頭語(不・未・無・非)」を確認。今度は、読みながら意味も覚えます。「不健康、健康ではない」「未完成、まだ完成していない」…先生の後、みんなで声を出して脳裏に焼き付けます。わずか3分。何度も繰り返していくうちに、「否定の接頭語」は、すっかり口に馴染んだようです。

大城智紀先生による「算数」の模擬授業
大城智紀先生による「算数」の模擬授業

 「はいさ~い!」と元気よく登場した大城先生。「算数」の模擬授業、第4学年「垂直」がテーマです。まず、垂直の定義「2本の直線が直角に交わるとき、この2本の直線は、垂直である、といいます」を全員で読みながら覚えていきます。その後、提示された2本の直線が垂直であるかないかを、声に出し、○×の動作を加えて答えます。マス目のあるものからはじめて、最後はマス目なしに発展。テンポよく、とてもリズミカルな授業になりました。

曾我泉先生による「理科と「算数」の模擬授業
表克昌先生による「国語」の模擬授業

 表先生による「国語」の模擬授業は「早口言葉」。まず、「生麦、生米、生卵」を大きな声で読む、早く読む、連続して読む、とリズムよく音読。途中から、文言の一部を薄くする工夫も見られました。続いて「生卵リレー」。列ごとの対抗戦です。一番後ろから前に一人ずつ言い終えたらその前の人が言います。一番前の人が言い終えたらおしまい。早いチームの勝ちです。盛り上がりは言うまでもありません!今度は「隣の客は、よく柿食う客だ」、そして「かえるぴょこぴょこ 三(み)ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ 六(む)ぴょこぴょこ」にチャレンジ。脳も活性化され、実に楽しく学べました!

ワークショップ『フラッシュ型教材作成体験』

片山淳一先生による『フラッシュ型教材作成体験』片山淳一先生による『フラッシュ型教材作成体験』
片山淳一先生による『フラッシュ型教材作成体験』片山淳一先生による『フラッシュ型教材作成体験』
片山淳一先生による『フラッシュ型教材作成体験』

 5つの模擬授業を通して、いろいろな教科のフラッシュ型教材を体験したところで、今度は、参加者が実際にフラッシュ型教材を作成する「ワークショップ」です。片山先生の指示にしたがって進められました。若い先生もベテランの先生も、小中学校の先生も教育委員会の先生も一緒になって、今回は6人一組で班を作り、互いに知恵を出し合い、協力しながら、 班で自慢のフラッシュ型教材を作り上げていきます。

 ここでは、パソコン上のパワーポイントではなく、紙に書いて作成します。パソコンの操作に不慣れな先生もスムーズに教材制作に集中できます。肝心の教材の内容については、班でのやりとりや、他の班の教材を知ることによって、多くの発見やアイディアが得られる点も、こ のワークショップの大きな特長です。

 最後に、班ごとに選ばれた“営業係長”が、自慢のフラッシュ型教材を持って、他の班に必死に売り込みます。あちらこちらで笑い声や拍手が起こるなど、大盛り上がりのうちに終了しました。

解説『フラッシュ型教材の作成・入手のコツ』

高橋純先生による解説『フラッシュ型教材の作成・入手のコツ』
高橋純先生による
解説 『フラッシュ型教材の作成・入手のコツ』

 フラッシュ型教材の模擬授業をご覧いただき、フラッシュ型教材を実際に作成体験したところで、高橋先生によるここまでのまとめ『フラッシュ型教材の作成・入手のコツ』に続きます。

 作成については、「問題数は10問程度」「瞬時に判別して答えられる内容」「答えが1つになるような発問・指示」といった基本となる作成のコツが示され、入手においては、フラッシュ型教材の専用ダウンロードサイト『eTeachers(イーティーチャーズ)』(http://eteachers.jp/)が紹介されました。

 現在『eTeachers』の会員は2万名を数え、13千 を超えるフラッシュ型教材が収載されています。登録は無料。必要なフラッシュ型教材をダウンロードしてご利用ください。

市販のフラッシュ型教材による『じっくり模擬授業 3 実践』

 セミナーの後半は、市販されているフラッシュ型教材を活用した、3つの模擬授業で再開されました。

大城智紀先生による 『フラッシュ基礎・基本5年生(社会科)』の模擬授業
大城智紀先生による
『フラッシュ基礎・基本5年生(社会科)』の模擬授業

 「はいさ~い!」と再び登場された大城先生。『フラッシュ基礎・基本5年生』を使用した「社会科」の模擬授業「世界の主な国の位置と名称&国旗」です。世界地図を示し、赤く塗られた国の名称を答えるフラッシュでスタート。「アメリカ合衆国・中華人民共和国・ロシア連邦・イギリス・ブラジル・オーストラリア・フランス・ドイツ・大韓民国・日本の10か国を全員で答えながら何度も繰り返し、位置と名称をクリア。その後、国旗と国名を関連付けて覚えていきました。最後は、「国旗カルタ取りゲーム」でしめくくり。ゲーム感覚で楽しく学べたようです。

金隆子先生による『フラッシュ漢検4級』の模擬授業
金隆子先生による
『フラッシュ漢検4級』の模擬授業

 金先生は『フラッシュ漢検4級』を利用した「四字熟語・送りがな」の模擬授業。「四字熟語」では、「起承転結、理路整然、…」と、先生の後に続いて読む、参加者だけで読む、四字熟語の入った文を読む、と「読み」を繰り返し、まとめは「カルタ取り」。四字熟語の上2文字を先生が読み、下2文字が書かれた机上の紙カルタの答えを言いながら取るゲームです。児童生徒になりきって、まさに大盛り上がり!「送りがな」では、「群がる、設ける、…」と、先生の後に続いて読み、単語の入った文を読んでいきます。送りがなを身につける工夫として、「群(むら)・パチ・がる」と間に手拍子を入れたアクティビティも見られました。

表克昌先生による『フラッシュ英語』の模擬授業
表克昌先生による
『フラッシュ英語』の模擬授業

 “Hello!”と、表先生が登場。『フラッシュ英単語(名詞編)』の「職業」と『フラッシュ英語表現』の「何になりたい」を使った模擬授業です。police officer、scientist、singer、teacher、tennis player、writerと、教材に収録されているネイティブの音声に続いて発音練習をした後、ネイティブの音声を聞いてカードを取る「カルタ・ゲーム」を展開。

 盛り上がったまま、今度は、「ジェスチャーゲーム」に突入。カードをめくり、その職業のジェスチャーをするゲームです。最後は、提示された写真を見ながら、どんな職業についているかを学んだばかりの英単語で答える「将来の夢クイズ」。杉山愛選手⇒tennis playerという具合い。いつもながら、大盛り上がりの模擬授業になりました!

解説『フラッシュ型教材 活用のポイント』

高橋純先生による解説『フラッシュ型教材の活用のポイント』
高橋純先生による
解説『フラッシュ型教材の活用のポイント』

 ここでは、フラッシュ型教材を活用する際のポイントについて、高橋先生にお話いただきました。

 「フラッシュ型教材は、短い時間で、テンポよく繰り返して、ほめながら使うことによって、子どもに自信がついて基礎学力が向上するという特長があります」と話され、その特長を生かすためには、「先ほど紹介したeTeachersから九九やローマ字、単位換算、公式といった定番教材を選んで活用すること。または、定番教材がまとめられた『フラッシュ基礎・基本』『フラッシュ英単語/英語表現』『フラッシュ食育』、教科書に対応した『フラッシュくりかえし漢字ドリル』等の市販の教材を使うのが効率的です」と解説されました。

 さらに、効果をより高めるためには、「授業の始めの復習や休み時間の終わりかけなどの数分のすきま時間で日常的に活用していくのがよいとの活用のポイントも添えていただきました。

総括講演『フラッシュ型教材を活用した現実的な ICT 活用』

堀田龍也先生による『総括講演』
堀田龍也先生による『総括講演』

 セミナーのまとめは、堀田先生による総括講演です。

 「薬にはそれぞれに効能があるように、教材にもあります。フラッシュ型教材は、知識・技能の習得に効きます。楽しく繰り返して学習することで、基礎・基本の知識が確実に定着する効果があります」とのお話に、フラッシュ型教材を直に体験したばかりの参加者からは大きなうなずきが見られました。

 そして「フラッシュ型教材のこのセミナーは、ICT活用ではあるけれど、そもそも今日の日本の教室の実態を鑑みて、多くの先生がいつもやっていることを考えた時に、日常的なICT活用で、子どもに力をつけるということを大切にしたいと思って行っているものです。きょう、皆さんにその趣旨と具体的な方法が伝わったらいいな、と思っています」と締めくくられました。

 にこやかに充実した表情で会場を後にする多くの参加者の姿が印象的でした。2年ぶりの首都圏でのセミナーは、満席、大盛況のうちに終了しました。

参加者の感想(アンケートより抜粋)

・研修としての完成度の高さにびっくりしました。広めるヒントをたくさんいただきました。
・わかりやすかったのと実践できたのがよかった。
・大変勉強になりました。苦手な分野ですが、活用していけるようになりたいと思います。
・セミナー全体的にとてもテンポがよく、時間を忘れるくらい本当に楽しかったです。たくさんのお土産をいただきました。活用していきます。
・とても楽しい時間をありがとうございました。授業のメリハリをつける、基礎・基本の力をどの子にもつける、とてもよい教材だと思っていましたが、きょう参加して、さらにいろいろなことができるとわかりました。さっそくeTeachersに登録したいと思っています。
・「すぐにでも使える」という意識を職場にも広めていきたい。
・初めて参加しましたが、とても楽しめました! 教材の共有化の理念に大賛成です。簡単で、シンプルだからこそ、使ってみたくなります。
・授業のテンポが上がる、子どものやる気を上げる、基礎が短時間で身につくフラッシュ型教材の良さがとても伝わりました。