フラッシュ型教材活用セミナー in 春日井

活用事例のご紹介

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
会場のグリーンパレス春日井

  2012年6月30日、愛知県春日井市のグリーンパレス春日井において、「第33回 フラッシュ型教材活用セミナー」が開催されました。小・中学校の先生をはじめとした教育関係の方々97名と、定員を大きく上回る多くのご参加をいただき、大盛況のうちに無事終了しました。

-「第33回フラッシュ型教材活用セミナー in 春日井」ご登壇者-

堀田 龍也 先生(玉川大学教職大学院)
高橋 純 先生(富山大学人間発達科学部)
笠原 晶子 先生(群馬県前橋市立荒牧小学校)
石井 一二三 先生(青森県八戸市立是川小学校)
土井 国春 先生(徳島県三好郡東みよし町立足代小学校)
大澤 由美乃 先生(三重県名張市立桔梗が丘小学校)
神田 京子 先生(富山県高岡市立古府小学校)

ご挨拶

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
春日井市教育長 木股 哲夫氏

 セミナー冒頭、春日井市教育長の木股哲夫先生にご挨拶をいただきました。先生からは、休日返上で熱心に参加されている先生方に敬意を表されたうえで、「ICTは“子どもたちの学力を向上するためのあくまでも道具”であって、ICTそのものを使いこなすことが目的とならないでほしい。このセミナーでICTを日々の授業の中で、効果的に活用するコツを身につけて、ぜひとも授業に取り入れてほしい」と強調されました。

『趣旨説明』- 次に行う模擬授業への着眼点について-

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
堀田龍也先生 趣旨説明

 トップバッターは堀田龍也先生による本セミナーの『趣旨説明』。先生は始めに、「フラッシュカードが昔から長く教材として使われている理由は、基礎学力の定着の切り札として有効な教材であるためです。フラッシュ型教材は、そうしたフラッシュカードをICTを活用して提示するデジタル教材です」とフラッシュ型教材についてのご説明をされました。

その後、実際にフラッシュ型教材のスライドを提示しながら「さん、はい」と堀田先生が掛け声をかけると会場は一体となって答えの大合唱に…。ひと通りの発問を終えたところで、「フラッシュ型教材は、いたってシンプルですが、発問のしかたや、全員で言わせるか、一人ずつ言わせるかといった答えさせ方によって、バリエーションも豊富になります。そして、スピードも大切です」とまとめられ、次の『模擬授業5連発』に話をつながれました。

『模擬授業5連発』- 個性豊かなチームプレーを披露! -

 フラッシュ型教材を使った実践に、会場がぐっと集中し、一気にテンションが上がっていきます。 5人の先生方による、スピードとキレのある模擬授業のスタートです。

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
大澤由美乃先生 国語の模擬授業

 大澤由美乃先生は、国語の模擬授業。内容は、「一のつく四字熟語」。「一石二鳥」「一致団結」「一期一会」といった四字熟語を1回目は普通に、2回目は早めに、次は交代読みとして、女子と男子が2字ずつ読むなどして、何度も繰り返して、記憶を定着させていきました。先生は、答えさせ方にバリエーションを持たせて、自然に口になじむよう工夫をされておりました。

  続いて、神田京子先生による音楽の模擬授業。スライドを見て、音符に併せて手をたたき、「タタ・(ウン)・タタ・(ウン)」といった声も同時に出して答えていきます。3回繰り返して、楽曲、『とんび』が完成。答える声だけでなく、手をたたく動作も併せて答えさせるという、体を動かすのが大好きな子どもの特徴を生かした楽しい模擬授業になりました。

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神田京子先生 音楽の模擬授業
フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
土井国春先生 算数の模擬授業

 土井先生は算数の模擬授業。時計の読み方や、時刻を答えます。時計のスライドを見せて、普通に時刻を読み→10分後→10分前と、徐々に難しくなっていきます。「3時55分の10分後」等、時間をまたぐ問題では、一瞬間が空き苦笑いの声があがることも。また、「その通り、素晴らしい」といった絶妙な合いの手の打ち方等、知らずしらずに自然と時刻が身につくように展開されていました。

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
石井一二三先生 理科の模擬授業

 石井先生の理科の模擬授業は、自分たちがこれから種まきに行くという設定。「種まきに行けるのは、これからやるフラッシュに答えられた人だけです」と条件をつける石井先生。参加者はぐっと授業に引き込まれました。学習内容は、植物の名前とその種をイラストを使って覚えようというもの。一致していれば○、不一致は×と両手を使って答えさせる場面では、ゲーム感覚で楽しく進められました。そして、石井先生の最後のセリフは、「では、これから種まきに行きましょう!」、でした。

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
神田京子先生 国語の模擬授業

 5連発の最後は、神田京子先生の古文の模擬授業。「古文は少し敷居が高い教科ですが、普段あまり口にしない歴史的仮名遣いを、先生の後について読むことで、言葉の響きを覚えることができます」神田先生は、この他にも列ごとに読ませる等、読ませ方のバリエーションをつけたり、文字の濃さを徐々に薄くしたりするなど、飽きないよう、集中力を持たせながら、くりかえし読ませていくことで自然と暗記できるような工夫をされていました。

『フラッシュ型教材作成体験』- 教材作成に新たな発見が -

 フラッシュ型教材の模擬授業を体験され、会場もなごやかになってきたところで、実際にフラッシュ型教材作りに取り組むワークショップのセッション。笠原晶子先生の進行で行われました。

 ここでは、PCのパワーポイントではなく、紙に書いで作成することで、普段PCでの操作に抵抗感がある先生方もスムーズに教材制作に入っていけます。また、若い先生からベテランの先生まで、年齢も立場もバラバラで全く知らない先生方同士がグループを取り組むことで、参加者間のコミュニケーションを図り、協力し合って教材を作成するといったねらいがあります。

 笠原先生の小気味良い進行で、参加者の皆さんも積極的に教材作成に取り掛かります。自分たちの力作の教材を他のグループに「営業係長として売り込む」場面では、会場は大賑わい! 参加者からは「同じ教材でも1回目は普通に読ませ、2回目は部首を答えさせるなど“1枚で2度おいしい教材”が良かった」「子供に作らせることで単元のまとめにもなる。」といったご意見も聞かれました。最後に笠原先生は、「フラッシュ型教材は問題がシンプルなので、発問の仕方や提示の仕方で変化を 付けることができます。高学年になると子どもたちでも作ることができるので、 一緒に作ってみるのもいいですね。」と話され、フラッシュ型教材作成の新たなコツを知ることができました。

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笠原晶子先生 教材作成体験

解説:『フラッシュ型教材の作成・入手のコツ』- 何からどうすればいいか -

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
高橋純先生 フラッシュ型教材の作成・入手のコツ

 ここで、高橋純先生から、これまでのセッションをまとめて、実際に教材として取り入れていく際のコツについてお話しいただきました。

 「問題数は10問程度。あまり長くしない」、「ICTの利点を活用した写真や図形を使った問題等、瞬時に判別でき且つ答えが一つになるもの」、といったポイントが伝授されました。

 また、「何から始めたらいいか不安」という場合に便利なフリーサイト『eTeachers(http://eteachers.jp)』をご紹介いただきました。「会員登録(無料)をすると、パワーポイントの教材が入手できるので、それをアレンジして利用することがお勧めです」と高橋先生。参加者の皆さんが真剣にメモを取っている様子が印象的でした。

『じっくり模擬授業3実践』- 製品版ならではの機能を駆使 -

 ここでは、市販されている製品版を使った模擬授業を3例、ご発表いただきました。

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
大澤由美乃先生 算数の模擬授業

 大澤先生は『フラッシュ基礎・基本』の3年生から、算数の図形に関する模擬授業を行いました。平面図形の形成要素である「直線、頂点、直線で囲まれている」といった基本的な用語と図形の性質を確認する内容です。図形の用語を穴埋めで読ませたり、図形を見せて正しい三角形・四角形を答えさせたりする等、何度もくりかえして学習することで、いろいろな角度から図形を学ぶ工夫が感じられました。

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
土井国春先生 漢検の模擬授業

 土井先生がピックアップしたのは、『フラッシュ漢検』の『四字熟語』。「理路整然」「一網打尽」「本末転倒」といった四字熟語を何度もリズム良く、くりかえし読ませることで、四字熟語の読みを定着させていく。また、製品版フラッシュ型教材の機能の一つである、スライドの順序を変えて表示させるなど、集中力を保つ工夫も見られました。

 石井先生は、英語名“キャサリン”として登場。先生の、元気はつらつ、表情豊かな話し方に会場全体が巻き込まれます。『フラッシュ英語表現』には、ネイティブの音声もついているので、とても便利です。最後は、風船を使ったバルーンラリーゲーム。質問を投げかけ、受け取ったら答えるといったアクティビティで、会場全体がさらに沸き立ちました。

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石井一二三先生 英語の模擬授業

解説『フラッシュ型教材の活用のポイント』 - 明日からの授業に役立てるために -

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
高橋純先生 フラッシュ型教材の活用のポイント

 ここでは、明日からの授業に役立てるために、フラッシュ型教材の具体的な活用のポイントを高橋先生から解説いただきました。

【教材選びと制作のポイント】製品版でも、eteachersからでも、まずは“定番”を使い、慣れてから自分で少し変え、ゆくゆくオリジナルの物を作っていくこと。

【繰り返しを図るポイント】教材の難易度、答えさせ方の難易度、答えさせ方のバリエーションなどで、既習事項の定着を意図的に行うこと。

【日常的に活用すること】学校のサーバーに保存して、いつでも共有して、また、すきまの時間で気軽に活用していくこと。

 最後に、「これだけは覚えさせたいといった基礎・基本の内容を、子どもにしっかり身に付けさせるために、日々の繰り返しが最も重要です」と話されました。

総括講演『フラッシュ型教材を活用した現実的なICT活用』- 基礎学力向上の重要性 -

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
堀田龍也先生 総括講演

 「日本では最近、とにかく子どもに学び合わせようという雰囲気が強くありますが、基礎学力や知識の引き出しもなく、“学び合わせようと”ということをすると、学び合うどころか話し合う段階にもならず、ただ話しているだけのおしゃべりになってしまいます。社会人に必要とされる“コミュニケーション能力”や“協調性”も、基礎学力や知識が大前提となります。“知識ではなくコミュニケーションが大事“という二律背反の考え方は間違っている」と堀田先生。

 また、「成績が下位の子どもにとって、テンポの良くシンプルなフラッシュ教材は気軽に参加でき、クラス全員が参加すると、教室の空気が変わり、クラスみんなの底上げに繋がります。フラッシュ型教材は、クラス全体の基礎・基本の知識の定着にマッチした教材です」とフラッシュ型教材の効用についてもお話いただきました。

 堀田先生からは、教育・授業というもの全般から、基礎基本の教材である“フラッシュ型教材” について、客観的数値結果をもとにご説明され、参加者の皆さんも大変納得された様子が伺えました。


 今回のセミナーでは、20代の参加者が一番多かったのが特徴的です。このように、若い世代の先生方が、熱心に参加され、フラッシュ型教材に興味・関心を持って、日々の授業に取り入れていただけると大変嬉しく思います。ご参加いただきました皆様と有意義な一時を共有できましたこと、感謝申し上げます。

参加者の感想(アンケートより抜粋)

フラッシュ型教材活用セミナーin春日井
• 教材を見ただけではイメージが湧きませんでしたが、参加してとても役立ちました。
• とにかく自分でもやってみたくなる、元気がでるセミナーでした。
• 教室でどんどん使っていこうと思います。
• Simple is Best.さっそく 月曜日から実践していきます!
• 明日からもっと積極的にICTを使っていこうと思いました。