フラッシュ型教材活用セミナー in 沖縄

活用事例のご紹介

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

2011年7月30日、沖縄県市町村自治会館・自治会館ホールにおいて「フラッシュ型教材活用セミナー」が開催されました。参加者は128名。沖縄の熱い日差しに負けない熱気あふれるセミナーとなりました。

趣旨説明

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄
フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

 まずは堀田龍也先生(玉川大学教職大学院 教授)によるセミナーの趣旨説明。ここで参加者は、フラッシュ型教材とはいったいどのような教材なのかということを体験します。堀田先生は、まず帯分数を仮分数に直すフラッシュ型教材を提示しました。1回目は声もばらばらで、スピードも遅め。「もう1回やってみましょう。同じ問題が出ます」と言ってやってみると、今度は声も大きくそろっています。「1回目と2回目どっちが楽ですか?2回目ですよね。繰り返すとちゃんとできるようになります。」と堀田先生。フラッシュ型教材をまず体験したことによって、参加者は、これから始まるセミナーに期待に胸をふくらませたようでした。

模擬授業4連発!

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 フラッシュ型教材活用セミナーは、このセッションからどんどん勢いを増していきます。まずは、大澤由美乃先生(三重県名張市立桔梗が丘小学校)と大城智紀先生(沖縄県読谷村立喜名小学校)による算数、国語、社会のフラッシュ型教材を活用した模擬授業が披露されました。

 大澤先生は、算数と国語を担当。「次の数を言いましょう」という発問に続いて、25、79、100と数字を読み、その後「10倍しましょう」「100倍しましょう」の指示に続いて、先ほど提示された数字を10倍、100倍する教材や、「一難去ってまた一難」「一目瞭然」のように「一」の入る慣用句や四字熟語を覚える国語の教材を披露されました。また、「男の子だけで」「みんなだけで」と答えさせ方にも工夫されていました。

 大城先生は、社会と算数を担当。最初に世界地図を見て、色がぬってある国の名前を覚え、その後、その国の国旗と国名をセットで覚えてから、最後に再び世界地図に戻って国の名前を覚えるという社会の教材や、「2本の直線が垂直に交わるとき、この2本の直線は垂直であると言います」という定義を穴埋めで繰り返し読んだ後に、2本の直線が垂直であるかどうかを○×で答える算数の教材を披露されました。算数の教材の最後に、身の回りにある垂直の写真を見せて「皆さんも垂直を探してみてください」という言葉で締めくくると、会場からは大きな拍手がありました。

教材作成・活用体験演習

 フラッシュ型教材の活用イメージがつかめたところで、高橋純先生(富山大学 人間発達科学部 准教授)による「フラッシュ型教材 作成・活用 体験演習」に移ります。毎回大変な大盛り上がりを見せるこのセッションでは、班ごとにフラッシュ型教材作りに取り組みます。といっても、パソコンは使いません。「まずは班づくりをします」という高橋先生の声とともに、各班に紙とペンが配られました。

 高橋先生の進行のもと、まずは班ごとにテーマを決めて、問題を1人1つ考えます。その後、問題の順番を決めて、最後に発問を考えます。これで教材がひとつ完成します。同じ要領で、2作目、3作目を作っていきます。穴あきかけ算九九や、漢字の読み、地図記号の名前やイラストを見て英語で答えるもの、時刻を読むもの、音楽記号の名前を答えるものなど、内容は各班様々です。そして、最後にはそれを班同士で互いに披露しあいます。他の班の教材を見て「楽しかったです。子どもになった気持ちで取り組めたし、分かったら嬉しい」「子どもに作らせても楽しい」「元素記号を覚えさせるとか、体の部分を英語で答えるというのも出来そう」という感想があり、高橋先生からは、「ワークショップを通して、いろいろなアイディアが浮かんできたということですね。クラスの実態に合わせていろいろな教材ができますので、ぜひ工夫して活用していただければと思います」というお話がありました。自分だけではなかなか気づけないようなアイディアをたくさんもらえるのもこのワークショップの魅力の1つです。自慢の教材を披露したり、他の班の教材に取り組んだりする参加者の表情はとても楽しそうでした。

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対談:フラッシュ型教材ここからはじめる

 「対談:フラッシュ型教材ここからはじめる」では、チエル株式会社の三好からフラッシュ型教材を無料でダウンロードできるサイト 「eTeachers」の紹介が行われました。 eTeachersは、無料の会員登録によって、全国の小中学校の先生が作った教材を検索し、ダウンロードすることができます。1万2千以上の教材をもつ eTeachersの中から、代表的な教材の例を三好から紹介し、高橋先生からは、ダウンロードした教材をコピーしてスライドを増やしたり、文字や数字を書き換えたりすることによって教材をアレンジできるという活用のポイントが示されました。

じっくり模擬授業4実践

 「じっくり模擬授業4実践」では、教科の基礎・基本の知識を身につけるためのフラッシュ型教材や、食育、小学校英語のためのフラッシュ型教材を活用した模擬授業が披露されました。

 土井国春先生(徳島県東みよし町立三庄小学校)は、『フラッシュ基礎・基本』を使って、地図記号を覚えさせます。田、畑、果樹園など土地の使われ方に関係する地図記号を1つひとつ確認し、同じ地図記号を連続してテンポ良く提示します。続いて、市役所、小中学校、郵便局など建物に関係する地図記号を同じように1つひとつ確認し、2回目はテンポ良く提示します。最後に、小中学校と高等学校、交番と警察署のように、似た役割をもつ地図記号を比べて見ることで、覚えるときのポイントをおさえました。

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 続いて、「今日はみんなの好きな食べ物のゲットゲームをします」という声とともに、笠原晶子先生(群馬県前橋市立荒牧小学校) が「食育」でフラッシュ型教材を活用した模擬授業を披露。会場をもぐもぐチームとペロリチームに分け、ジャンケン勝負で好きな食べ物カードを取り合います。何回かのジャンケンを行い、カードを取り終えたところで、次の展開へ。「食べ物はそのはたらきによって3つに分けられます。1つ目は赤のグループ、おもに『体をつくるもとになる食品』、2つ目は黄色のグループ、おもに『エネルギーのもとになる食品』、3つ目は緑のグループ、おもに『体の調子を整える食品』です。どの食べ物がどのはたらきをもっているのか、フラッシュで勉強しましょう」―そう言って、『フラッシュ食育』の『3つのグループ』を使って、グループごとに食品の名前を読んでいきます。提示される食品の背景には赤黄緑の色がついているので、どの食品がどの色なのかを視覚的に覚えることができます。

 その後、笠原先生は「赤、黄色、緑。3つをバランスよくとってはじめて、体の中でうまくはたらきます」と言いながらいくつかのカードを裏返しにしていきました。カードの裏には色が塗られており、その食品がどのグループの食品かがわかるようになっています。「では、それぞれのチームがとったカードを裏返してみましょう。3つがそろって1点です」という笠原先生の指示のもと、代表者がカードを裏返しにしていくと―「もぐもぐチーム1点、ペロリチームは、3点!ペロリチームの勝ちです!では、2回戦は、自分のチームが勝てるように考えてゲットゲームをしていきましょう。これで終わります」―会場は、一段と大きな拍手に包まれました。

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 続いて再び土井先生。今度は『フラッシュ基礎・基本』を使った算数の模擬授業です。まずは提示された分数が真分数か仮分数か帯分数かを答える問題に取り組みます。ここで、「5/5」のような、1に等しい分数が仮分数であることも、確認します。次に、「□にあてはまる数を答えましょう」という発問に続いて「□/2=1」「□/3=1」のような問題に取り組み、1に等しい分数をすぐに答えられるように練習します。最後に、問題の表示順をランダムにし、列ごとに1人ひとり言ってもらい、全員が答えられたら拍手。1問1問慎重に、確実に答えていく参加者。周囲の先生方も息を飲みます。最後の問題を終え、フラッシュマンが「さいこう!」とほめてくれた瞬間、拍手がわき起こりました。

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  最後を飾るのは、表克昌先生(富山県氷見市立明和小学校)による小学校英語の模擬授業。“In America, (they say) ‘hello’(ハイタッチ).”という言葉とともに、参加者と表先生が挨拶をデモンストレーションして見せます。“Everybody stand up!”という言葉とともに、参加者も同じやり方で“Hello.”と挨拶し、ハイタッチ。続いて、“Namaste.”“Konnichiwa.”など、それぞれの国の挨拶を行います。その後、『フラッシュ英語表現』を使って、『自己紹介』のお手本を全員でリピートします。ただ単にリピートするのではなく、自分の好きなものに置き換えて練習することで、自己紹介の表現を自然に覚えることができます。覚えたら、グループのメンバーで互いに自己紹介をします。終わると自然に拍手が起こりました。その後は「聖徳太子ゲーム」で、相手の自己紹介を覚えるゲームへと続きます。“I like...”のかけ声に続いて、グループのメンバーが、それぞれの好きなものを同時に言います。リーダーは、メンバーのそれぞれが何を好きと言ったのかを聞き取って答えるというゲームです。見事答えられたら拍手!リーダーの苦しそうな表情や、見事答えられたときの達成感で、会場は大盛り上がりでした。最後に、覚えた表現を使って“Who am I?”ゲームに取り組みます。表先生が出すヒントをもとに、提示された写真の「私」が誰かをあてるゲームです。“I like skiing.”“I like golf.”…少しずつ写真が見えるようになっていき…“I like boxing.”と言ったところで会場からは思わず笑い声。誰もが、沖縄県出身のボクサーの名前を思い浮かべたことでしょう。表先生の「みんなで!」の声に「具志堅用高!」会場からは拍手がわき起こりました。覚えた自己紹介の表現を使ってたくさんのアクティビティに取り組み、参加者の表情は授業のアイディアを得たという充実の表情に満ちていました。

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パネルディスカッション

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 パネルディスカッションでは、日常的にフラッシュ型教材を活用している先生方からの実践発表が行われました。

 表先生は、小学校英語活動の取り組みについてのご発表がありました。「私は、『モーニングフラッシュ』といって、毎朝『フラッシュ英単語』で単語を覚えさせています。単語を知らなければコミュニケーションできませんから。まずリピートさせて、順番をランダムにして、繰り返しやらせます。 でもこればかりやっていると子どもはだれてくるので、ときどき一人ずつやらせたりすると、緊張感をもって取り組むようになります」。そして、「実践のコツは、『苦手なところは任せる』ということです。英語活動に対する不安の第1位は『発音』。でも、苦手なところは教材に任せていいと思います。担任の先生の仕事は、『先生も一緒に勉強しているんだよ』という学ぶ姿勢を子どもたちに見せることや、授業を組み立てること、配慮が必要な子を手助けするといったことだと思います」というお話は、外国語活動に不安を抱える多くの教師に勇気を与えるものでした。

 笠原先生からは、フラッシュ型教材を日常的に活用している立場からのご発表がありました。「フラッシュ型教材の活用のコツですが、まずは人気のもの、定番のものを使うのが良いと思います。1年生なら『いくつといくつで10』とか、2年生なら『かけ算九九』。どの学年でも間違いないのは『漢字の読み』です。eTeachersからダウンロードした教材を、コピーして文字を書き換えて使っています。市販の教材なら、必要な内容が網羅されているので、準備の手間もありません」と、フラッシュ型教材の活用のコツについて、わかりやすく、惜しみなく紹介されました。さらに、「しっかり覚えさせるためには、子どもたちがどのくらい覚えたかを見ながら少しずつ難しくしていくことです。最初は答えつきの教材を、順番通りに繰り返し、できるようになったら提示順を変えたり、答えのない教材で速いテンポで次々提示したりすると難しくなっていきます」「一日に長い時間続けるよりも、短い時間でも毎日繰り返したほうが、子どもたちはよく覚えます」と、長い間フラッシュ型教材を活用してきた笠原先生だからこその説得力あるお話に、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

総括講演

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 セミナーを締めくくる堀田先生の総括講演では、国立教育政策研究所から出ている沖縄と全国の学力分布について示されました。「フラッシュ型教材で勉強すると、子どもたちは変わってきます。楽しく覚えられるし、覚えたことが自分でわかるから。クラスの中にいる『しんどい子』の学力が上がれば教室の雰囲気も変わってきます。それは、とても大事な空気ですよね。しっかり繰り返してやらせる。そういうことにICTは使われているでしょうか。得意な人がやるICT活用ではなく、すべての普通教室で、すべての先生がICTを使うこと、それができる環境整備が大事です。ICTは特別なものではなく、みなさんの授業をやりやすくし、子どもたちに力をつけるものでなければならないんです」学力向上が叫ばれている今だからこそ、知識定着のためにフラッシュ型教材を活用し、着実に子どもたちに力をつけることが大切だという堀田先生のお話に、参加者は終始真剣な表情で耳を傾けていました。

参加者の感想(アンケートより)

・ 子どもになった気持ちで楽しくできました。発問の仕方で同じスライドでも色々活用できるのだと勉強になりました。
・ 子どもの気持ちになれた。できたことをほめられて、とても素直な喜びを感じました。
・ 1つの教材からいろいろな使い方ができることがよくわかりました。
・ PCを使わずに、作り方が体験できておもしろかったです。
・ 実際に作成してみたら、簡単にできたので、自作してやってみたいと思いました。
・ フラッシュ教材についてわかりやすく説明していただきました。
・ 様々なフラッシュ教材を使っての模擬授業を体験することができてよかった。
・ ちょっと不安な英語活動も、こんな風に活用できるのか再認識でき、とても楽しく活動させてもらいました。
・ 長い時間をかけるのではなく、短い時間でコツコツとやることが大事ということがわかりました。
・ 先生方の実践からの成功体験や反省体験などいろいろ聞くことができ、自分たちが実践する参考になりました。
・ 本時の授業と関連しなくても、フラッシュ型教材を用いて落ち込んでいるところを少しずつ繰り返しすることが大切だとわかりました。
・ 基礎・基本を全ての子に習得させるために日常的にICTを活用することがいかに重要か、背筋がピンとなるようなお話でした。
・ 思っていたよりも、簡単そうです。むずかしく考えていたんですね。
・ ICTの良さ、必要性がよくわかりました。使わないと!!使おう!!という気になりました。
・ 基礎基本の定着のためにやっていくことが大事なんですね。すぐに役立ちそうです。わかりやすい説明で、とても勉強になりました。

札幌市教育文化会館
開催地情報

沖縄県市町村自治会館・自治会館ホール