フラッシュ型教材活用セミナー in 藤岡

活用事例のご紹介

5月28日、藤岡市総合学習センターにて「フラッシュ型教材活用セミナー」が行われました。藤岡市教育委員会の全面的なバックアップのもと、市内の先生方を中心に、79名の先生方が集まりました。

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趣旨説明

フラッシュ型教材活用セミナーin藤岡

 ほとんどが市内からの参加ということもあり、和気あいあいとした雰囲気の中、セミナーはスタート。堀田龍也先生(玉川大学教職大学院 教授)は、「フラッシュ型教材は、体験してみたほうがよくわかりますので、やってみましょう」と言って、帯分数を仮分数に直すフラッシュ型教材を提示しました。1回目は声も小さく、そろいません。「もう一度」と言ってもう一度同じ問題をやってみると、今度は声も大きくそろっています。「2回目の方が簡単でしたね。繰り返しの効果ですね」と堀田先生。

模擬授業4連発!

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  フラッシュ型教材活用セミナーは、このセッションからどんどん勢いを増していきます。まずは、片山淳一先生(岡山県総合教育センター)と大澤由美乃先生(三重県名張市立桔梗が丘小学校)による国語、算数、理科、社会のフラッシュ型教材を活用した模擬授業が披露されました。方位磁針や方位記号、日本地図を見て方角を答える教材、「一」の入った四字熟語を読む教材、グラフを見てその特長を「だんだん上がる」「だんだん下がる」と一言で答える教材、提示された数を10倍したり、10分の1にしたりする教材など、必ず定着させたい内容ばかりです。内容はシンプルですが、答えさせ方や指名のさせ方は様々です。スピードアップ、列ごとや一人ずつ、男女に分かれて、など、教材にはいくつものバリエーションがあることが参加者にも伝わったようでした。

教材作成・活用体験演習

 フラッシュ型教材の活用イメージがつかめたところで、高橋純先生(富山大学 人間発達科学部 准教授)による「フラッシュ型教材作成・活用体験演習」に移ります。毎回大盛り上がりのこのセッションでは、グループごとにフラッシュ型教材作りに取り組みます。といっても、使うのは紙とペンだけ。パソコンは一切使いません。

 高橋先生の進行のもと、まずはグループごとにテーマを決めて、問題をひとり一つ考えます。その後、問題の順番を決めて、最後に発問を考えます。ベテランも若手も、小学校の先生も中学校の先生も一緒になって、グループでひとつの教材を作り上げていきます。穴あきかけ算九九や、音楽記号の名前を答えるもの、動物のイラストを見て英語で答えるものなど、内容は様々です。そして、最後にはそれをグループ同士で互いに披露しあいます。他のグループの教材を見て「考えちゃう教材は難しかった」「ちょっとひっかけがあるとおもしろかった」とアイディアをたくさんもらえるのもこのワークショップの醍醐味のひとつです。自慢の教材を披露したり、他のグループの教材に取り組んだりする参加者の表情はとても楽しそうでした。最後に高橋先生のまとめとして「答えがひとつになる問題にする」「難しい問題ではなく誰でもが答えられるような内容にする」といったポイントの説明がありました。体験を通して、参加者はすっかり教材作りのコツをつかんだようでした。

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対談:フラッシュ型教材ここからはじめる

  「対談:フラッシュ型教材ここからはじめる」では、チエル株式会社の三好からフラッシュ型教材を無料でダウンロードできるサイト 「eTeachers」の紹介が行われました。 eTeachersは、無料の会員登録によって、全国の小中学校の先生が作った教材を検索し、ダウンロードすることができます。1万2千以上の教材をもつ eTeachersにおいて、代表的な教材の例を三好から紹介し、高橋先生からは、ダウンロードした教材をコピーしてスライドを増やしたり、文字や数字を書き換えたりすることによってアレンジができるという活用のポイントが示されました。

じっくり模擬授業4実践

 「じっくり模擬授業4実践」では、教科の基礎・基本の知識を身につけるためのフラッシュ型教材や、食育、小学校英語のためのフラッシュ型教材を活用した模擬授業が披露されました。土井国春先生(徳島県東みよし町立三庄小学校)は、『フラッシュ基礎・基本』を使って、関東地方の都道府県名と県庁所在地を覚えさせます。まずは地図上でひとつひとつ県名とその位置を確認した後、「群馬県・前橋市」というように、県名と県庁所在地名をセットで答えさせます。最終的には、地図上で隠された地域の県名と、その県庁所在地名をセットで答えるところまで難易度を上げて行われましたが、少しずつステップアップしていくので、難しさを感じることなく覚えることができます。

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 「今日は食べ物ゲットゲームをします」という声とともに、笠原晶子先生(群馬県前橋市立荒牧小学校) が「食育」でフラッシュ型教材を活用した模擬授業を披露。会場をもぐもぐチームとペロリチームに分け、ジャンケン勝負で好きな食べ物カードを取り合います。何回かの勝負を行い、カードを取り終えたところで、次の展開へ。「食べ物はそのはたらきで3つに分かれています。赤のグループは、おもに『体をつくるもとになる食品』、黄色のグループは『エネルギーのもとになる食品』、緑のグループは『体の調子を整える食品』です。どの食べ物がどのはたらきをもっているのか、フラッシュで勉強しましょう。」そう言って、『フラッシュ食育』『3つのグループ』を使って、3つのグループごとに食品の名前をリピート。提示される食品の背景にはグループごとに色がついているので、どの食品がどの色なのかを視覚的に覚えることができる。その後、笠原先生は食べ物のカードを裏返しにした。カードの裏には色が塗られており、その食品がどのグループの食品かわかるようになっている。「3つそろったら1点とします。では、それぞれのチーム、カードを裏返してみましょう。」代表者がカードを裏返しにしていくと、会場からは「ああー」「おー」という声が。「もぐもぐチーム1点。ペロリチームは3点。では今度は、たくさん点が取れるようにもう一度やってみましょう。これで終わります。」会場からは、大きな拍手が起こりました。

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続いて再び土井先生。今度は『フラッシュ基礎・基本』を使った算数の模擬授業です。まずは提示された分数が真分数か仮分数か帯分数かを答える問題に取り組みます。ここで、「5/5」のような、1に等しい分数が仮分数であることを確認します。次に、「□にあてはまる数を答えましょう」という発問に続いて「□/2=1」「□/3=1」のような問題に取り組み、1に等しい分数をすぐに答えられるように練習します。最後に、問題の表示順をランダムにし、列ごとに一人一人言ってもらい、全員が答えられたら拍手。1問1問慎重に答えていく参加者。周囲の先生方も息を飲みます。最後の問題を終え、フラッシュマンが「ナイス!」とほめてくれた瞬間、会場からは拍手がわき起こりました。

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 最後を飾るのは、表克昌先生(富山県氷見市立明和小学校)による小学校英語の模擬授業。“In America, (they) say “hello”.”という言葉とともに、参加者と表先生が挨拶をデモンストレーションして見せます。“Everyone stand up!”という言葉とともに、参加者も同じやり方で“Hello.”と挨拶。続いて、 “Namaste.”や“Konnichiwa.”など、それぞれの挨拶を行います。その後、『フラッシュ英語表現』を使って、『自己紹介』のお手本を全員でリピートします。ただ単にリピートするのではなく、自分の好きなものに置き換えて練習することで、自己紹介の表現を自然に覚えることができます。覚えたら、グループのメンバーで互いに自己紹介をします。終わると自然に拍手が起こります。その後は「自己紹介リレーゲーム」で、自分が自己紹介をするだけでなく、相手の自己紹介を覚えるゲームへと続きます。“My nama is Yoshimasa. I like baseball.”と最初の人が言ったら、次の人は、“Yoshimasa.Baseball. My name is…”と、相手の名前や好きなものを答えてから自己紹介をします。3人目の人は2人分の名前と好きなものを覚えます。見事答えられたら拍手!3人目の人の苦しそうな表情や、見事答えられたときの達成感で、会場は大盛り上がりでした。最後に、覚えた表現を使って“Who am I?”ゲームに取り組みます。表先生が出すヒントをもとに、「私」が誰かをあてるゲームです。“I like baseball.”“I like fishing.”…少しずつ画面見えるようになっていき…“I like handkerchief.”と言ったところで会場からは「あ~!」という声。ひとりの参加者が即座に手を挙げ、「斎藤佑樹さん」会場からは拍手がわき起こりました。覚えた自己紹介の表現を使ってたくさんのアクティビティに取り組み、参加者の表情は授業のアイディアを得たという充実の表情に満ちていました。

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パネルディスカッション

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 パネルディスカッションでは、日常的にフラッシュ型教材を活用している先生方からの実践発表が行われました。笠原先生は「覚えさせたいことを楽しく練習させられるし、少しの時間でもできて、声を出すからクラスの雰囲気もよくなります。」「教材の選び方のコツは、定番のものを選ぶことです。これは間違いないです。かけ算九九とか県名とか。いくつといくつとかローマ字とか。漢字の読みは本当にフラッシュに向いていますし、教科書順や間違いやすいもの順に書き換えて使うのがいいと思います。市販のものだったら簡単だしイラストもきれいだし、失敗がありません」など、フラッシュ型教材の大事なポイントについて惜しみなく紹介。「子どもたちは『もう一回』と何回もせがむんですが、5回を1日だけやるよりも、1回を5日やるほうが覚えます。」という言葉には、ずっとフラッシュ型教材を活用してきた笠原先生だからこその説得力があり、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

 表先生からは、学校全体の小学校英語活動の取り組みについてのご発表。「なんといっても先生方が不安に思われているのはやはり発音です。たとえば、“dog”と“duck”。目をつぶって聞いているとどちらがどちらかわからなくなるくらい似ている発音も、『フラッシュ英単語』があれば、自信をもって指導ができます。ピアノが弾けなくても上手な子に弾いてもらったりCDを聞かせたりして指導するのと同じことだと思います」「担任の役割は、『先生も英語をがんばって勉強している』という姿を見せることや、授業の組み立てをすること、支援が必要な子どもたちをサポートしたり励ましたりすること。そういうことに力を注ぐのがいいと思います」というお話は、外国語活動に不安を抱える多くの教師に勇気を与えるものでした。

総括講演

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 セミナーを締めくくる堀田先生の総括講演では、「習得、活用、探究という3つの理念で説明すると、今までは習得の部分が少し甘かった。ちゃんと教えられていなければ活用することはできないという反省から、時間の無い中で効率よくきっちり習得させるために、フラッシュ型教材が注目されている。これからのICT活用で大事なことは、映す機器よりも映す内容。テレビ番組、デジカメで撮ったもの、教科書、フラッシュ型教材…。映す内容のバリエーションが豊かなほど、ICT活用は促進されます。あれもこれもできるという便利なものより、シンプルに、同じやり方で繰り返しやることで学力が身につくんです」とまとめられました。普段の授業で使うものだからこそ、シンプルで誰もが確実に使えるICTの重要性、子どもたちに力をつけるためにフラッシュ型教材に取り組むことの大切さを、参加者は実感したようでした。

参加者の感想(アンケートより)

・指名の仕方にもたくさんパターンがあり、学校でもすぐ活かせそうでした。
・1つのフラッシュカードでも、発問を変えることで何回でも使えることが分かりすごいと思った。
・これぞフラッシュ型!目からうろこが落ちるとはこのこと。
・大変参考になりました。声のかけ方、盛り上げ方など、楽しかったです。
・国語・算数・理科・社会などあらゆる教材においてフラッシュ型教材を活用した授業を行うことができることが分かった。
・小学校教師の誰もが不安に思っている小学校英語の実践を見ることで、「できそう」の気持ちが芽生えたと思う。
・どの先生方も気軽に活用されており、色々な活用方法を知ることができてよかったです。
・普通の教員が「私もできる」と思える最高のお話でした。ありがとうございました。

開催地情報

藤岡市総合学習センター 教育庁舎
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