フラッシュ型教材活用セミナー in 鹿児島

活用事例のご紹介

1月29日、かごしま県民交流センターにて「フラッシュ型教材活用セミナー」が行われました。参加者は84名。連日続く新燃岳の噴火の影響が心配されましたが、無事に開催されました。

趣旨説明

フラッシュ型教材活用セミナーin鹿児島

 やや緊張した面持ちの参加者を相手に、セミナーはスタート。堀田龍也先生(玉川大学教職大学院 教授)は、「フラッシュ型教材は、僕がいろいろ説明するより、やってみたほうがよくわかります」と言って、帯分数を仮分数に直すフラッシュ型教材を提示しました。1回目は声も小さく、そろいません。「もう一度」と言ってもう一度同じ問題をやってみると、今度は声も大きくそろっています。「2回目の方が簡単でしたね。繰り返しの効果です」という堀田先生の言葉に、参加者は、これから始まるセミナーに期待感を募らせたようでした。

模擬授業4連発!

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 フラッシュ型教材活用セミナーは、このセッションからどんどん勢いを増していきます。まずは、此川美奈代先生(富山県滑川市立西部小学校)と本多博先生(長崎県教育センター)による国語、算数、理科のフラッシュ型教材を活用した模擬授業が披露されました。次々提示される分数を見て「2で割って2分の1」「3で割って3分の2」のように約分して答える教材や、花の図を見ながら「がく」「花びら」「おしべ」「めしべ」と部分の名前を答える教材、「切手」「ラッコ」のように小さい「っ」が入るローマ字を読む教材など、必ず定着させたい内容ばかりです。内容はシンプルですが、答えさせ方や指名のさせ方は様々です。スピードアップしたり、トントンと先生がリズムをとって答えさせたり、列ごとや一人ずつ、男女に分かれて、など、教材にはいくつものバリエーションがあることが参加者にも伝わったようでした。

教材作成・活用体験演習

 フラッシュ型教材の活用イメージがつかめたところで、高橋純先生(富山大学 人間発達科学部 准教授)による「フラッシュ型教材作成・活用体験演習」に移ります。毎回大盛り上がりのこのセッションでは、グループごとにフラッシュ型教材作りに取り組みます。といっても、使うのは紙とペンだけ。パソコンは一切使いません。

 高橋先生の進行のもと、まずは問題をひとりひとつ考えます。その後グループ全員で発問を考えます。ベテランも若手も、小学校の先生も中学校の先生も一緒になって、グループでひとつの教材を作り上げていきます。漢字の読みを答えるものや、階名を答えるもの、動物のイラストを見て英語で答えるものなど、内容は様々です。そして、最後にはそれをグループ同士で互いに披露しあいます。他のグループの教材を見て「なるほど、その内容も使える」「これは簡単ですぐできそう」とアイデアをたくさんもらえるのもこのワークショップの醍醐味のひとつです。自慢の教材を披露したり、他のグループの教材に取り組んだりする参加者の表情はとても楽しそうでした。体験を通して、参加者はすっかり教材作りのコツをつかんだようでした。

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対談:フラッシュ型教材ここからはじめる

 「対談:フラッシュ型教材ここからはじめる」では、チエル株式会社の三好からフラッシュ型教材を無料でダウンロードできるサイト「eTeachers」の紹介が行われました。 eTeachersは、無料の会員登録によって、全国の小中学校の先生が作った教材を検索し、ダウンロードすることができます。1万以上の教材をもつeTeachersにおいて、代表的な教材の例を三好から紹介し、高橋先生からは、ダウンロードした教材をコピーしてスライドを増やしたり、文字や数字を書き換えたりすることによってアレンジができるという活用のポイントが示されました。

じっくり模擬授業4実践

フラッシュ型教材活用セミナーin鹿児島

 「じっくり模擬授業4実践」では、教科の基礎・基本の知識を身につけるためのフラッシュ型教材や、食育、小学校英語のためのフラッシュ型教材を活用した模擬授業が披露されました。土井国春先生(徳島県東みよし町立三庄小学校)は、『フラッシュ基礎・基本』を使って、九州地方の都道府県名と県庁所在地を覚えさせます。まずは地図上でひとつひとつ県名とその位置を確認した後、「鹿児島県・鹿児島市」というように、県名と県庁所在地名をセットで答えさせます。最終的には、地図上で隠された地域の県名と、その県庁所在地名をセットで答えるところまで難易度を上げて行われました。しかし、少しずつステップアップしていくので、さほど難しさを感じることなく覚えることができます。

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 石井一二三先生(青森県八戸市立根城小学校) は、「食育」でフラッシュ型教材を活用した模擬授業を披露。『フラッシュ食育』を使って行事の名前を確認した後、今度はその行事で食べる料理や食べ物を見て行事名を答えます。たとえば「おせち料理」が出たら「お正月」と答える、といった具合です。覚えたかどうかの確認はカルタゲームで行います。まず机の上に「おせち料理」や「ひしもち」などの行事の料理や食べ物が書かれたカードを並べます。そして、石井先生から「桃の節句」などの行事の名前が出題されるので、その行事の名前に関係する料理や食べ物のカードを、隣の人より早く取るというゲームです。石井先生が「お正月!」と出題したとたん、会場は一気にヒートアップ。カードが少なくなってくると、場にはないカードの行事名が出題され、ひっかかった人が「ああ~」と頭を抱えるなど、参加者はすっかりカルタゲームに熱中していました。

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 続いて再び土井先生による模擬授業。今度は『フラッシュ基礎・基本』を使って算数に取り組みます。まずは0.1~1までの数を提示された通りに読みます。次に、0.1を何個集めたものかについて答えます。小数の仕組みを体感してきたところで、小数の大小を比べます。提示された二つの小数を見て、大きい方の数を答えることによって、小数について相対的な見方ができるようになります。「瞬時に判断することは難しくても、繰り返し取り組むうちにできるようになる」ということを、参加者は身をもって体感したようでした。

 最後を飾るのは、笠原晶子先生(群馬県前橋市立桂萱東小学校)による小学校英語の模擬授業。自分の行きたい国について聞いたり答えたりするため、まずは『フラッシュ英単語』のネイティブスピーカーの発音に続いてリピートしながら国の名前を覚えていきます。ただ単にリピートするのではなく、キーワードゲームを取り入れたことで、会場の緊張感がアップ。“Japan”が出たらリピートせずに手で日の丸を象った丸を作ったり、“France”のときに両手を伸ばしてエッフェル塔の形を真似したりするなど、参加者は「絶対に間違えないぞ」とばかりに画面に集中していました。

 国の名前を覚えたら、いよいよ対話表現を勉強します。ここでも、いきなり対話に入るのではなく、まずは“Where do you want to go?”“I want to go to America.”というやりとりを注意深く聞き、次に質問する側、答える側の練習をそれぞれ行います。十分に練習ができたところで、今度はビンゴゲームに取り組みます。ただビンゴをするのではなく、『フラッシュ英単語』に対して“Where do you want to go?”と問いかけるのです。『フラッシュ英単語』が発音した国の名前に印をつけ、たくさんビンゴができた人の勝ち。ここまで練習を積んでから、いよいよ隣の人に行きたい国を尋ねます。十分に繰り返した後なので、参加者はためらうことなく積極的に互いに聞いたり答えたりしていました。

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パネルディスカッション

フラッシュ型教材活用セミナーin鹿児島
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 パネルディスカッションでは、日常的にフラッシュ型教材を活用している先生方からの実践発表が行われました。石井先生は、「子どもたちはとてもほめられたがっている。フラッシュ型教材は、ほめやすい教材。できたらほめるを繰り返す」「みんなが答えられる問題にする」など、フラッシュ型教材の大事なポイントについて紹介。「子どもたちはゲーム感覚で取り組んでいて、休み時間でも『先生、フラッシュやろう』と言ってくるほどです」という話に、会場は聞き入っていました。

 笠原先生からは、学校全体の小学校英語活動の取り組みについてのご発表。「ALTが来ない時でも、『フラッシュ英単語』があれば、自信をもって指導ができる」「操作が簡単だし、印刷してカードにも出来るし、校内研修でも取り入れて活用場面を広げています」というお話には説得力がありました。学校での取り組みに不安を抱える先生方も少なくないようで、参加者の真剣な表情が見られました。

総括講演

フラッシュ型教材活用セミナーin鹿児島

 セミナーを締めくくる堀田先生の総括講演では、「これまでの研修では、授業技術の話よりも、機器の操作に重きがおかれがちでした。しかし、大切なのは具体的な授業技術。今日のセミナーでは機器は一切使いませんでしたが、フラッシュ型教材に不可欠な授業技術についてたくさん体験していただきました。教室にはすでにプロジェクタや電子黒板、デジタルテレビ等が導入されていると思うが、大切なのは何を映すかということ。そのひとつとしてフラッシュ型教材があります」とまとめられました。一部の人だけが取り組むのではなく、誰もが確実に子どもたちに力をつけるために、フラッシュ型教材に取り組むことの大切さを、参加者は実感したようでした。

参加者の感想(アンケートより)

・テンポよく進むので集中して取り組めました。フラッシュ教材の良さだと感じました。
・活用法がわかりやすかった。短時間で要点のみ。すばらしかった。
・授業の一場面を切り取って、実際に体験することで、授業イメージがわきました。
・校内研修でも活用させていただきます。よい方法を教わりました。
・教材を作り、実践して、教師自身が経験を積む必要があると思い、頑張ろうと思った。
・演習の進め方が大変勉強になりました。大学の授業で試みたいと思います。
・他の学校の先生方と交流しながら、意見交換することができました。楽しかったです。
・楽しみながら教える工夫が数多く見られ、参考になりました。
・学校での具体的な実践例を紹介してもらえたので、大変参考になった。
・フラッシュ型教材が学習活動の中で、どういう位置付け、役割があるのか、明確にされた話で納得できる内容だった。
・授業に生かしていけるアイデアをたくさんいただきました。ありがとうございました。