フラッシュ型教材活用セミナー in 沖縄

活用事例のご紹介

7月31日、浦添市産業振興センターにて「フラッシュ型教材活用セミナー」が開催されました。参加者は156名。過去最高の参加者が集まり、歴史に残るセミナーとなりました。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

セミナーは、堀田龍也先生(玉川大学 教職大学院 教授)による趣旨説明からスタート。まずはフラッシュ型教材の体験から。「いまから数字を見せます。読みましょう」という指示の後、「1、2、3…」と連続して数字が変わっていきます。参加者は、これは簡単、とばかりに「1、2、3…」と答えていきますが、途中で8と9が入れ替わっている「ひっかけ」に、思わず「あっ」という表情に。次に「7倍した数を言いましょう」「英語で言いましょう」「7倍した数を英語で言いましょう」と指示に変化が加わります。最初は簡単に数字を答えていた参加者も、7倍で、英語で、7倍を英語で、と難易度が上がるにつれて、苦しげな表情になっていきます。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

最後のフラッシュ型教材が終わったときに堀田先生は「気づいたことは?」と参加者に問いかけました。「使われたスライドは全部同じだった」「発問は全部違っていた」との答えに、参加者はなるほど、という表情を浮かべていました。「単純だけど奥が深いし、教師の力量が出るんです」という堀田先生のことばにはみな納得の表情でした。

フラッシュ型教材のポイントをつかんだところで、土井国春先生(徳島県三好郡東みよし町立三庄小学校)と小暮敦子先生(東京都三鷹市立大沢台小学校)による国語、算数、社会のフラッシュ型教材を活用した模擬授業が披露されました。「□にあまる」「□をそろえる」などの慣用句を答えるものや、歴史上の人物や、その人物が行ったことを答えるもの、「入学試験→入試」のように熟語を省略した言葉など、シンプルな教材ばかり。中でも、思わず参加者が「おおー」と声をあげたのは算数の角度を答える教材。「90度より大きいか小さいか答えましょう」という発問のもとに、はじめは分度器を提示しながら答え、徐々に分度器が薄くなり、最後には消える。徐々に消えていくことで、いつの間にか分度器がなくても90度より大きいか小さいかを答えることができるようになっています。知識定着のためのフラッシュ型教材も、先生の工夫次第で様々なかたちで提示できることが参加者に伝わったようでした。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄 フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄 フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

フラッシュ型教材の活用イメージが広がったところで、高橋純先生(富山大学 人間発達科学部 准教授)による「フラッシュ型教材作成・活用体験演習」に移ります。毎回大好評のこのセッションですが、156名もの先生方が参加するのはもちろん初めて。まさに圧巻でした。紙を使ってグループごとに教材を作ります。漢字の書き順や英単語、かけ算九九に漢字の部首など、ひとつとしてまったく同じ教材はなく、参加者はフラッシュ型教材のバリエーションの豊富さ、教材作りのコツを体感したようでした。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄 フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄 フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄 フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄 フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

「対談:フラッシュ型教材ここからはじめる」では、フラッシュ型教材活用実践プロジェクトの事務局・チエル株式会社の三好からフラッシュ型教材を無料でダウンロードできるサイト「eTeachers」の紹介が行われました。eTeachersは、無料の会員登録によって、全国の先生方が作った教材を検索し、ダウンロードすることができます。どのような教材がダウンロードできるのか紹介され、高橋先生からは、ダウンロードした教材はコピーしてスライドを増やしたり、文字や数字を書き換えたりすることによってアレンジができるという活用のポイントが示されました。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

続く「じっくり模擬授業4実践」では、教科の基礎・基本のためのフラッシュ型教材や、食育、小学校英語のためのフラッシュ型教材を活用した模擬授業を体験します。大城智紀先生(沖縄県読谷村立喜名小学校)は、『フラッシュ基礎・基本』を使って、部首の名前を答えさせます。男女に分けて答えさせるなど、答えさせ方のバリエーションのヒントもありました。その後、部首が書かれたカードを使ってかるたゲームに取り組みます。ただ単に覚えるのではなく、ゲームのように楽しみながら知識を定着させる工夫がありました。
また、算数の模擬授業「小数点の移動」では、小数を10倍したり10分の1したりして答えた後に、10倍すると小数点が右に動き、10分の1すると小数点が左に動くということを体を使って左右に移動しながら覚えるような工夫もありました。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

石井一二三先生(青森県八戸市立根城小学校)は、「食育」でフラッシュ型教材を活用した模擬授業を披露。赤・黄・緑の3つのグループについておさえた後、『フラッシュ食育』を使って赤のグループの食材を覚えていきます。覚えたことがしっかり身についているかどうか、グループ分けゲームで確かめます。ホワイトボードに貼られた食材のカードを赤・黄・緑にグループ分けすることによって、それぞれのグループにどんな食材が含まれるのかを確認していきます。最後には「沖縄フラッシュ」で、ゴーヤやナーベラーのグループについてもおさえ、どんな食べ物も3つのグループに分けられることをもう一度おさえました。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄
フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄
フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄
フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

さらに表克昌先生(富山県氷見市立明和小学校)による小学校英語の模擬授業。『フラッシュ英語表現』を使って、“Can you ~?”“Yes, I can.”の表現を繰り返し練習します。“Can you play the piano?”“Can you swim?”など、たくさんの表現を覚えた後に、英語ノートを使ってインタビュービンゴゲームに取り組みます。ビンゴシートに書かれているイラストをもとに、相手に“Can you cook?”などと尋ね、相手が“Yes, I can.”と答えたら○をつけていきます。最終的にたくさんビンゴができた人が“Winner”。156人もの参加者が、会場内を自由に歩き回り、笑顔でビンゴゲームに取り組んでいました。フラッシュ型教材で覚えた単語や表現を使ったアクティビティで、確実に知識が身につき、コミュニケーションにも役立つということを身をもって実感した様子でした。

パネルディスカッションでは、日常的にフラッシュ型教材を活用している先生方からの実践発表が行われました。石井先生は、「フラッシュ型教材は、できたらほめるを繰り返す」「みんなが答えられる問題にする」など、フラッシュ型教材の大事なポイントについて紹介。「満足感が次の意欲につながる。子どもたちはゲーム感覚で取り組んでいて、休み時間でも『先生、フラッシュやろう』と言ってくるほどです」という話に、会場は聞き入っていました。

表先生からは、小学校英語活動の取り組み方についてのご発表。ある調査で、先生方が英語活動においてもっとも不安に感じているのは「発音」であるという結果をもとに、『フラッシュ英語』にはネイティブの音声がついているのでその不安がないということを強調され、「トマトやポテトなど、英語ならではの発音は、なかなか難しいが、『フラッシュ英語』なら正しい発音で教えることができる。そして、教科の授業で学習指導要領を参照し、教科書、補助教材を用いて授業をするのと同じように、英語活動でも学習指導要領、英語ノート、『フラッシュ英語』を使って授業をするのがおすすめです」と話されました。

フラッシュ型教材活用セミナーin沖縄

セミナーを締めくくる堀田先生の総括講演では、国立教育政策研究所から出ている沖縄と全国の学力分布について示し、中位以下の子どもたちに勉強をわからせるためにはフラッシュ型教材での知識定着が重要だと解説されました。そして、「プロジェクタや電子黒板、デジタルテレビなどがどんどん導入されているが、大切なのは何を映すかということ。フラッシュ型教材は、普通の先生の毎日の授業に役立つ教材である」とまとめられました。学力向上が叫ばれている今だからこそ、知識定着のためにフラッシュ型教材を活用し、地道に着実に子どもたちに力をつけることが大切なことだという堀田先生のお話に、参加者は終始真剣な表情で耳を傾けていました。