フラッシュ型教材活用セミナー in 沖縄

活用事例のご紹介

浦添市てだこホール
浦添市てだこホール

真っ青な空に立体的な白い雲、底まで透き通った青い海、容赦なく照りつける強い日差し、そして独特の音階を持つ美しい音楽…。今回の「フラッシュ型教材活用セミナー」の舞台は、「沖縄」。「フラッシュ型教材」の活用方法を直に学びたいという熱い思いを抱く先生方102人が参加して、浦添市てだこホールで行われた。なんと昨年の倍以上の参加者に、沖縄の先生方のフラッシュ型教材への関心の高さが伺えた。

 

 

【いろいろな教科で活用できるのが、「フラッシュ型教材」のいいところ!】

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清久先生(国語):方言を覚える。
笠原先生(社会):地図記号を答える。
岸本先生(音楽):音符をドレミで読む。

セミナーの口火を切ったのは「模擬授業5連発!」。このセッションでは、フラッシュ型教材を毎時間活用している現職の先生方が実際の授業をイメージして模擬授業を行う。

まず、兵庫県立こどもの館・清久利和先生は方言に関するフラッシュ。標準語と沖縄弁、関西弁との違いに、ユーモアを加えて武士語の三つを比べながら繰り返し発音していく。標準語で「あなた」は沖縄弁では「うんじゅ」などと、違いをユーモアをまじえながら覚えていくフラッシュに、会場の緊張感が一気にほぐれていった。

「地図記号を出しますから、大きな声で答えてください、いきます!」と明るく元気な声で模擬授業をスタートしたのは群馬県立桂萱東小学校・笠原晶子先生。地図記号は、社会科フラッシュ型教材の定番と言ってもよい教材。しかし、定番の内容も、提示の仕方は先生方それぞれ。笠原先生は、地図記号を順番にひとつずつ提示した後に、今度は地図記号を左右に並べて、正しい方の手をあげるという方法をとった。「消防署!」と笠原先生が言うと、全員が右手を挙げ、「工場!」と言うと、さっと左手を挙げた。「全問正解!」と笠原先生の声が響き渡り、会場はすっかりフラッシュ型教材のわくわく・どきどき感でいっぱいになった。

美しい歌声で会場を魅了したのは、静岡県富士市立富士南小学校・岸本厚子先生。「ドレミで読みましょう」の声でスタート。ドレミファソラシドの音階をひとつひとつフラッシュ型教材で提示しながら、発声させる。音程をつかんだところで、「今度は皆さんだけで」と言って、参加者の先生方だけで歌っていく。一度自分たちで歌っているし、先生のお手本も聞いているので、自分たちだけでも上手に歌えるのだ。「今度はばらばらで歌いますよ。まず先生のまねをしましょう」と言って、岸本先生は「ドミファソシド」の音階を歌わせる。今度はみなさんだけで、と言って歌わせた後「皆さんすばらしい。歌手になれますよ!これは何ですか?」と問う。会場からは大きな声で「琉球音階」との声が。「琉球音階、そうです。ドミファソシドシソファミド、覚えましょう」会場からは一段と大きな拍手が…。

再び清久先生。今度は食育のフラッシュ型教材で、料理の名前を覚えていく。「昔ながらの栄養のある食べ物の名前を言いましょう」の声に従い、「おから」「かば焼き」「あずきごはん」「さんまの塩焼き」「だし巻き卵」「いもの煮ころがし」「すし」「きんぴらごぼう」。一部を隠して再度フラッシュ。さらに頭文字だけをつなげて読んでみると…「お・か・あ・さん・だ・い・す・き」。昔ながらの食べ物を覚えられる、ユニークなフラッシュだ。

模擬授業を締めくくるのは、再び笠原先生。理科の模擬授業。モンシロチョウやトンボの体の「あたま」「むね」「はら」のそれぞれの部分をフラッシュ型教材で確認し、「こん虫のなかまは、体があたま、むね、はらの3つの部分に分かれています。足は6本でむねの部分についています」ということをおさえる。再びフラッシュ型教材に戻り、ランダムで「あたま」「むね」「はら」を答えていく。最後に、クモやダンゴムシなど、足が6本以上ある生き物を紹介し、昆虫の仲間ではないことをしっかりおさえさせた。

【フラッシュ型教材は、基礎・基本の定着に!】

フラッシュ型教材の模擬授業をたっぷり見た後は、パネルディスカッションへと続く。富山大学人間発達科学部准教授の高橋純先生からは、「学力向上はどこの地域でも重視されており、文部科学省の調査ではICTが学力向上に効くと言われています。そこで、まずは知識定着のために、ICT活用としてフラッシュ型教材が注目されているわけです。教育の情報化に関する手引にも例示されている『フラッシュ型教材』は、今日の教育課題や情報に関する施策に合致するものです」との解説があった。その後、フラッシュ型教材の専用ダウンロードサイト「e-Teachers」についても紹介があり、「7、000以上もの教材ファイルや、ワークショップ用のスライドもある、このサイトもぜひ活用してほしい」と話された。

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パネルディスカッションでは、フラッシュ型教材ダウンロードサイト「e-Teachers」の紹介や実践事例の発表が行われた。

「ICT活用の効果」について、具体的なお話をされたのは、岸本先生。読譜指導にフラッシュ型教材を取り入れたら、「楽譜が読めないから音楽は嫌い」と言っていた子ども達も覚えられるようになったという事例。フラッシュ型教材に取り組んだことで、「これは三拍子だから、三拍子の指揮をしながら歌いたい」とか「付点がついているからはずんだ感じで歌いたい」のように、子ども達に表現して歌う力がついてきたとのことだった。最後に、「音楽で一番大切なことは、子ども達の思いをいきいきと表現することだと思っています。でも、音楽の教科書が読めない子が少なからずいます。そういう子ども達は、歌詞だけを読んで歌っていると思うんです。実際は、歌詞だけじゃなくてメロディがあり、作者の思いがある。国語と同じだと思う。そういう基本的な部分を嫌いにならないように、身につけさせてあげたい」とまとめられた。

「フラッシュ型教材を広めるためのコツ」について紹介してくださったのは、清久先生。校内研修では、具体的なイメージをつかむためにも、模擬授業をやるのが一番だと話された。また、教材作りはひとりずつでやるのではなく、グループで取り組むことによって、初めての先生や苦手な先生にも安心して取り組むことができるとも話された。フラッシュ型教材は、授業作りに直結するというが、お二人の先生方の話を伺い、ますますその思いを強くした。

【小学校英語にも、フラッシュ型教材はぴったり!】

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表先生:文房具の単語を覚えて、ジェスチャーゲームやカルタゲームも行われた。
割石先生:数を覚えて数字ピラミッドゲーム。15マスの数字がいくつ合うかを競う。

第二部は、「小学校英語フラッシュ型教材を活用しよう」と題して、三つの模擬授業が続く。富山県氷見市立明和小学校・表克昌先生の"Hello!"から始まった。まず表先生の後に続いて、『小学校のフラッシュ英単語』からピックアップされた文房具の単語をリピート。その後は"Only student."でリピートしたり、何度も繰り返し取り組んだりしていくうちに、単語が自然と頭に入っていく。"What's this?""It's a ~."の表現も一緒に覚えたところで、ジェスチャーゲーム。チームAとBに分かれて、代表者は後ろを向いて立つ。同じチームの人は、代表者にヒントを与えて、道具の名前を答えられるように導くのだ。"What's this?"と会場から声が上がり、提示されたのは"stapler"。会場は一斉に、ホッチキスでとじるジェスチャー。チームAの代表者が"It's a stapler."と答えると、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。

続いて、札幌市立新琴似緑小学校・割石隆浩先生の「数で遊ぼう」の模擬授業。まずは『フラッシュ英単語』の後に続いて、"One、 Two、 Three..."と繰り返していく。次は変化をつけて、3の倍数のところでは手をたたくようにする。"One、 Two、 (タン)、 Four..."という具合。これだけで、さっきより少しだけ難易度が上がるのだ。こうして覚えた数字や単語を使えば、いろいろなゲームもできる。割石先生は、15マスのピラミッドが書かれたワークシートを配り、数字ピラミッドゲームに取り組ませる。ルールは簡単。1~20までの好きな数字を15個選び、『フラッシュ英単語』が示した数字がいくつ合ったかを競うもの。最高得点は、12ポイント。3名の先生方に割石先生が"Champion!"と声をかけると、思わずガッツポーズをとる先生も…。

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第二部のパネルディスカッション。チエル株式会社より教材についての説明、割石先生は、自校での英語活動について話された。

最後の模擬授業は、再び表先生。今度はジェスチャーゲームを取り入れた模擬授業だ。『フラッシュ英単語』を使って、"Turn right." や "Go straight."などの単語を覚えたら、サイモン・セズ・ゲームで、体を動かしてしっかり覚える。"Simon says、 walk..." 足踏みを始める参加者の先生方。"Stop!!"という表先生の大きな声に、思わず足踏みを止めてしまう先生も。ひっかからずに足踏みを続けた先生方は、とても得意気。表先生も思わず"Very good!"と。そして、最後に、スイカ割りゲーム。紹介されたばかりの”walk”や”stop”、”Turn right”などを使って導き、スイカを割るという設定。残念ながらスイカにはヒットせず、会場からは「あ~」というため息混じりの落胆の声が響いた。

第二部のパネルディスカッションでは、まずチエル株式会社・三好亜理紗から『フラッシュ英単語』の教材デザインについて、名詞編、動詞・形容詞編、英語表現編と全部で3巻あり、すべてにネイティブの発音が入っているので、発音が心配な先生方にも安心して使っていただける教材ですと説明。割石先生からは、自校の英語活動の取り組みについて。「決して英語活動が盛んであるというわけではないが、校内研修を充実させ、誰にでもできそうな授業イメージを作ることを目指しています」というお話があった。また、「英語ノートはとても優れているが、いきなりこれをやるのは難しい。そこで、『フラッシュ英単語』のような教材でワンクッションおいてから取り組むのが良い」というお話に、参加者は熱心にメモを取る姿が見られた。

【フラッシュ型教材は、知識や技能の習得に効く!】

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堀田先生による総括講演。薬にはそれぞれ効能があるのと同じように、フラッシュ型教材は知識や技能の習得に効く。

セミナーの最後、玉川大学学術研究所准教授・堀田先生の総括講演は「これ何ですか?」との問いかけから始まった。映し出されたのは頭痛薬の画像。さらに、腹痛の薬が表示された。「何の症状のときに飲むかがはっきりしていますよね。フラッシュ型教材も同じなんです。文部科学省が言っている基礎・基本には、思考力、判断力、意欲などいろいろありますが、フラッシュ型教材はこの中の知識や技能の習得に効きます。どの力をつけさせたいからどの方法をとる…それを決めるのが教師の仕事なんです。知識を身につけさせる時間が十分に取れない現実があるからこそ、フラッシュ型教材で、短い時間でしっかりと身につけさせていくことが大事です」また、「フラッシュ型教材が簡単すぎるという人はいるが、簡単だからこそ、シンプルだからこそ良い」という堀田先生の言葉に、参加者の先生方は終始真剣な表情で聞き入っていた。
セミナーは割れんばかりの大きな拍手をもって閉会を迎えた。会場を後にする先生方の表情はとても晴ればれとしていた。